ノート:プラトン『ソクラテスの弁明』

 

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)

ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫)

 

 (納富信留 訳・解説)

 

(目次) 

訳者まえがき――『ソクラテスの弁明』を読む前に 

 

ソクラテスの弁明 

 

第一部 告発への弁明 

 

・前置き 第1〜2章 

 *ソフィストの弁論との違い、真実を語る徳 ※真実とは何か、本質か? 2つの告発

・古くからの告発への弁明 第3〜10章 

 1古くからの告発 *知識人、自然科学者とソフィストへの疑念や嫌悪 不敬神、詭弁的弁論術 アリストファネスの『雲』、ソクラテスは詭弁的ソフィスト ※デューイ ソクラテス自身は自然科学をせず、金銭的教師ではないと弁明

 2アポロン神託 *プラトンの創作か

 3人間的な知恵 *神託による「知」の意味の探求 無知の「知」ではなく、不知の自覚あるいは認識 神ではない人間の有限さ 知ろうともせず思い込みの中で人生を送る愚かしさ

 4ソクラテスへの憎悪 *本当には知らないことを知っていると当たり前に言う有り様、これが真実 不知を暴かれることへの恐怖と憎悪 ソクラテスの若い弟子たちによる人々の不知という真実を暴く振る舞いを堕落と非難 真実を話すと憎まれる

・新しい告発への弁明 第11〜15章 

 1告訴状とその解釈 不敬神と若者堕落の罪の逆転、現民主政権では問えなくなった旧怨が真の狙いと見抜く 

 2尋問としての論駁 *対話による反論、論理の矛盾を突く 言葉と知への無自覚、無認識、無責任 ※そのまま現代、現在へ続く問題 言葉など信じてはいけない、プラグマティズム、だが真実をそのまま言えば死刑さえ賜る

・哲学者の生の弁明 第16〜22章 

 1恥 *金銭や評判への配慮、真善美や魂への配慮 不知への無自覚(知ったかぶり)の醜さ

 2死と生

 3魂への配慮 *魂(プシュケー)と肉体・物(ソーマ) ※イエスキリスト教キルケゴール

 4不正と害悪

 5政治(ポリスのこと) ※公と私、「〜とは?」と問わないこと ペリクレスアテネ全盛期後の清貧反動期ではある

・弁明の締めくくり 第23〜24章 

 *真理と政治、哲学と弁論術の違い ※イデア仮象、こういう区別ではなく産湯だけを流すこと

 

〔ここで有罪・無罪の投票がなされる] 

 

第二部 刑罰の提案 第25〜28章 

 

〔ここで死刑・罰金刑の投票がなされる] 

 

第三部 判決後のコメント第29〜33章 

 1最期の言葉として

 2敵と仲間への語りかけ

 3ソクラテスの敬神

 

解説 納富信留 

 

プラトン対話篇を読むために(生涯と著作)

 プラトンの生涯 ソクラテスと「ソクラテス文学」 学園アカデメイアでの哲学活動 プラトン著作集の成立と伝承 プラトン対話篇のグループ分け 初期対話篇 中期対話篇 過渡期対話篇 後期対話篇 偽作? 書簡集 日本で読まれたプラトン

 

年譜 

訳者あとがき 

重要人物および事項一覧 

 

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大衆批判 社会批判

真実を探求する哲学者としての生か死か 哲学者の原点

多量の毒を含んだ恐ろしい書 全社会を敵に回す書

ソクラテスにも原理主義があるが、何より社会の原理主義本質主義

(二分思考、責任者・専門家・敵・犯罪者等々)

 

人の生涯の衝撃、重さ  ソクラテス文学 イエス新約聖書 聖人たち 菩薩たち

 

徳 身についた習慣